ロシア美術の特質について考える場合
この異教美術の存在を無視することはできない。
キリスト教に改宗後も、その美的世界に異教の痕跡を認めることができるし、現在もなおロシア人の美意識には異教時代の名残が存在するとされている。
しかし、キリスト教改宗後は、異教文化は時の権力によって破壊され、長く抑圧の歴史を重ねたため、今日では異教文化のなかの美術をそれ自体として正当に評価することはきわめて困難である。
そうしたなかにあって、1848年にドニエプル川の支流ズルブチ河畔で発見された『ズルブチの偶像』は異教時代の豊かな文化を伝える数少ない美術品の一つであり、一般に想像されている以上に、完成された美的世界を示している。
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