この異教美術の存在を無視することはできない。
キリスト教に改宗後も、その美的世界に異教の痕跡を認めることができるし、現在もなおロシア人の美意識には異教時代の名残が存在するとされている。
しかし、キリスト教改宗後は、異教文化は時の権力によって破壊され、長く抑圧の歴史を重ねたため、今日では異教文化のなかの美術をそれ自体として正当に評価することはきわめて困難である。
そうしたなかにあって、1848年にドニエプル川の支流ズルブチ河畔で発見された『ズルブチの偶像』は異教時代の豊かな文化を伝える数少ない美術品の一つであり、一般に想像されている以上に、完成された美的世界を示している。
プロテスタント諸教会と並ぶキリスト教三大教派の一つ。
日本ではギリシア正教または単に正教ともいう。
広義の東方教会は、のちに中国へ入り景教とよばれるようになるネストリウス教会や、キリスト単性論とみなされるアルメニア教会、エジプトのコプト教会、エチオピア教会など、キリスト教の異端グループを含む。
しかし、東方正教会という場合は狭義の東方教会、すなわち、中東、東欧、ロシアを中心とする18の自立教会の連合体をいう。
わが国では東方正教会は、他の二大教派のカトリック教会、プロテスタント諸教会と比べて一般になじみが薄い。
だが、東方正教会は元来、古代教会の伝統を受け継いでおり、原始キリスト教の精神をよく伝えてきた。
古代教会はローマ帝国に発生し、全教区をエルサレム、アレクサンドリア、アンティオキア、コンスタンティノープル(現イスタンブール)、ローマの五大総主教区に分けた。